アメックス SPG が改悪されます。
トラベル好きに人気のあったカードですが、残念なお知らせです。
通常の使い方では間違いなくメリットのないカードになってしまうもようです。
では、これまでと何が変わるのか、このまま持っていていいのかどうかのポイントを詳しく見ていきます。
アメックスSPG改悪の内容とは!?
それではアメックスSPG の改悪内容を、私の家に送られてきた案内から一つ一つ見ていきましょう。
まず最も大きな改悪は年会費の値上げです。
これまでのアメックス SPG カードの年会費は34,100円(税込)でした。
これがいきなり年間49,500円に上がります。
15,400円の値上げって結構大きいですよね。
その代わり、これまで年間17,500円であった家族カード1枚目が無料になります、とのことです。
ですから、基本カードと家族カードを発行してもらっていた人にとっては値上げにはならないという考え方もできます。
一方で家族カード2枚目以降は、これまで17,500円だったところ1枚追加されるごとに24,750円なので、複数枚の家族カードを発行する場合には大きな出費になってしまいます。
家族カード1枚と合わせて年間49,500円が安いのか高いのか、ここの判断が非常に重要ですね。
アメックスSPGデザインの変更
カード券面のデザインが大きく変わりました。
これまではワインレッドカラーの券面に SPG と書かれていましたが、変更後のデザインはマリオットボンヴォイプレミアムと書かれた黒い色のカードになります。
カードデザインについては、好みの問題なので改悪とも改善とも言えません。
ちなみに、新しいカードのデザインに変わるのは、現在の有効期限が切れる時なので、最大5年、今のままのデザインで使うことになる人もいるとの説明でした。
個人的には、、、、どっちでもいいかな〜〜特に洒落ているわけでもないし。
アメックスSPG無料宿泊特典の改悪
これまでアメックスSPGはカード会員として年会費を支払えば、無条件で5万ポイントまでの無料宿泊特典が付与されていました。
しかし今回の改悪で年間150万円以上のカード利用がないと無料宿泊特典は付与されません。
これは大変痛い改悪でしょう。
確かに、これまでアメックスSPGとしては、あまりに太っ腹な特典を提供していたのですが、今回のこの改悪で解約を考える人も増えるのではないでしょうか。
唯一良くなった点は、これまで無料宿泊特典5万ポイントに自分が保有するポイントを追加して予約することができなかったのですが、今回からは15,000ポイントまではプラスして予約が出来るようになりました。つまり65,000ポイントまでの宿泊が楽しめるということです。
それでも、シェラトン東京やプリンスさくらタワーなどは4万ポイントほどで宿泊できますし、逆に泊まってみたい東京リッツカールトンの場合は85,000ポイント程度は少なくても必要で、日光リッツカートンも概ね78,000ポイント程度は必要なので、結局国内では使えない〜ってかんじです。
アメックスSPG海外旅行傷害保険の改悪
これって、相当な改悪だと私は思いますが、いかがでしょうか?
これまではアメックスSPGは旅行代金をカードで決済しない場合でも最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付与されていました。
しかし今回の改悪でカードで決済した場合にのみ最高1億円の保険が付くということです。
ここまでみてきて、今回の改悪は、もっとカードを使って欲しいと言う意思がよくわかります。
実際カード会員であるだけで、あまりカードを使わずにそのサービスだけを受けるというのは、カード会員にとっては大変お得なのですが、 カード発行会社としては旨味のないビジネスということになるのでしょう。;;
これ以外の、プロテクションには変更はありません。
改善!?プラチナエリート資格の取得
次に改訂になった大きなポイントは、 毎年1月1日から12月31日の間で400万円以上の利用があるとプラチナエリートの資格が付与されるというものです。
これは年の途中でも400万円の使用を超えた時点で付与されるようです。
これまでは年間50泊以上の宿泊が条件だったので、このカードで年間400万円以上使える人にとってはむしろ改善ということも言えるでしょうか。
ちなみにプラチナエリート特典は、結構おいしい特典ですね。これを取るかどうかが維持か解約かの分かれ道になりそうです。
最近のマリオット系ホテルの朝食はインフレ気味で、東京マリオットですと3,800円します。
これが二人分無料になり、またラウンジでのアルコールや軽食もいただけるので、年間数回の宿泊をするのでしたら、カード代値上げ分は元が取れちゃいますね。
ただし、年間400万円のカード使用が条件ですが、、、、。
✌️400万円以上使えるのなら、改悪ではないのかもしれませんね。
追加で改善されたのが、スマートフォン・プロテクションです。
アメックスSPGには今までなかった特典です。これはスマホの修理代金を最大3万円まで補償するというものですが、実は購入日より2年以内のスマホで1万円の免責があります。
たとえばiPhonen 13 Proの場合、ガラス交換は36,680 円です。この場合、自分が16,680円支払い、補償は20,000円ということになります。つまり実質2万円の補償ということになります。
その他の変更点
上記以外の変更点は下記の通りです。
リッツカールトンまたはセントレジスにて2連泊以上の予約(宿泊)をすると100米ドル分のクレジットがもらえます。これは宿泊中に使用したルームサービスや食事代に使用できるものです。
リッツカールトンに2連泊ね〜。何年かに1回くらいは使うことがありますか、、、、、ね?わざわざ泊まることもないし、、、、
エリート達成に向けた宿泊実績の付与がこれまで5宿泊分であったのが、15泊分になります。残り35泊でプラチナエリートに!ってことですね。
さて、アメックスSPGを継続するかどうかの判断はどうする?
なかなか悩ましい選択です。
これはそれなりに使用実績を積める方にとっては必ずしも改悪にならず、使用金額が150万円に満たない方には完全な改悪のサービスです。
少しシミュレーションしてみました。
アメックスSPGカードで貯まるMARRIOTT BONVoYポイントは、通常のクレジットカードでのお買い物の場合、100円で3ポイントです。
マリオットボンヴォイ参加のホテルでの使用にはボーナスがつきます。カードに入会すると自動的にゴールドエリートになりますので、ボーナスは$1について10ポイント(一部のホテルでは5又は2.5ポイントの場合もあります)です。また通常のポイントは100円につき6ポイントです。
つまり、100円の支払いで($1=100円の場合)、16ポイント付与されます。
通常のお買い物が100円につき3ポイントですからこれは大盤振る舞いです!
シミュレーションの前提条件
30,000円の宿泊代+食事代2万円とすると、一泊で5万円の使用となりますから、これに対するポイントは8,000ポイントになります。通常のカード決済の場合は1,500ポイントなので、6,500ポイントも多くもらえます。
このポイントは3ポイント=1マイルでほとんどの航空会社のマイルに交換できます。ユナイテッド航空の場合は3ポイント=1.1マイルです。
さらに60,000ポイントの交換ごとに5,000マイルもらえます。
上記の宿泊では6,500ポイントつまり、2,166マイルもらえることになりますね。これを無料航空券に交換すると、1マイル4円の換算(ビジネスクラス)で8,664円お得になったということになります。
この程度では、年会費値上がり分の元は取れません!!
じゃ、2泊すればいいのでは?と思うかもしれませんが、150万円使用しないと無料宿泊分50,000ポイント付与がなくなっていますので、全くダメです!
もしこれまで以上にお得に使うとすれば、年間最低150万円以上、できることなら400万円の使用が可能な方に限られます。
もし400万円使用してエリートプラチナになった時のシミュレーション
アメックスSPGを維持してプラチナエリートになればお得度は変わるのでしょうか?
まず、このカードのポイントですが、通常のショッピングでは100円で3ポイントの付与なのですが、一部の支払いはポイントが少なくなっています。
- 電力料金
- ガス料金
- 水道料金
- 税金
- 公金(健康保険など)
- d払いなど
これらでは200円で3ポイント、つまり100円では1.5ポイントですね。
プラチナエリートになれば、無料朝食やお部屋のアップグレードなどの特典を楽しめますので、これらを考慮してシミュレーションです。
アメックスSPVの新カードとセゾンマイレージプラスVISAゴールドの比較
私が日頃使用しているセゾンマイレージプラスセゾンVISAゴールドとの比較をしてみましょう。
マイレージプラスセゾンVISAゴールドカードは1000円ごとに15マイル付与されるユナイテッドエアーのマイルを貯めるには最強のカードです。公共料金や税金Quic Payでもそのままマイルがつくのでお得です。
BONVoY | ポイント | セゾン | ポイント | |
通常ショッピング | 3,000,000 | 90,000 | 3,000,000 | 45,000 |
公共料金など | 1,000,000 | 15,000 | 1,000,000 | 15,000 |
ホテル代金 | 100,000 | 16,000 | 100,000 | 1,500 |
合計 | 4,100,000円 | 121,000 | 4,100,000円 | 61,500 |
マイル換算 | 54,366 | 61,500 | ||
年会費 | 49,500円 | 22,000円 | ||
年会費家族カード1枚 | 0円 | 5,500円 | ||
プラチナ特典 | 58,000円 | 0円 | ||
円換算 | 58,000円 | 217,464 | 0円 | 246,000 |
総合お得額 | 225,964円 | 218,500円 |
#BOBVoYカードは、航空会社マイルへの交換に際に60,000ポイントごとに5,000マイル付与されることを考慮しています。
#また、プラチナエリートの特典として、朝食1名3,800円、ラウンジアクセス1名3,800円、良いお部屋へのアップグレード1泊15,000円相当、これを年に2泊するとして計算しました。
結果として、年間410万円使用して、BOBVoYカードは54,360マイル。セゾンマイレージプラスゴールドは、61,500マイル貯まるという結果でした。
上記特典と年会費の使用を合計すると、
BOBVOYカードは225,964円お得!
セゾンマイレージプラスゴールドは218,500円お得ということになりました。
ほぼ同じ結果ですね。
まとめ
レジャーでBONVoY加盟のホテルを使ってちょっと優雅な旅行を楽しみたい方は維持してBOBVoYで!
自分の好きなホテルを予約して、朝食やラウンジ(ちょっとしたカクテルなど)は自腹で好きなようにしたい方はセゾンマイレージプラスゴールド!
というのが私の結論です。
プラチナエリートを取得できることが確実でない方は、残念ですが持つことに価値はあまりないカードということになるのではないでしょうか?
ちなみに、送られてきた案内状には、2022年5月11日以降、カードの更新には新年会費が適応されるのですが、今回に限り、通常の無料宿泊特典に加えてリッツカールトンやシェラトンのレストランで使用できるダイニングクーポン1万円分がプレゼントされると書かれていました。
参考になれば幸いです。