PPIプロトンポンプ阻害薬が市販薬としては買えない日本のお家事情

時事
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PPIプロトンポンプ阻害薬は、とてもよく効くお医者さんに出してもらう胃の薬です。

この薬やH 2ブロッカーと呼ばれる薬(ガスターです)が登場したおかげで、胃潰瘍はほぼ薬剤だけで治るようになりました。

画期的なお薬ですね。またプロトンポンプ阻害薬は胸焼けにもよく効きます。

私もお酒を飲みすぎたりして胃がムカついた時や、若干逆流性食道炎のきらいもあるので、プロトンポンプ阻害薬にはよくお世話になります。

1カプセル飲むだけで本当によく効きます。

そんなこんなで私にとっては常備薬になっています。ですので海外旅行に行った時にごっそりと買ってくるのです。

42カプセル入りです。

プラスチックボトルに入ったプロトンポンプ阻害剤がとても安く買えます。

早く日本でも薬局で買えるようにならないかな、と思っていましたが、どうも日本では無理のようです。

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スイッチOTCの規制

日本ではスイッチOTC と言って、医療用の医薬品を薬局で売れるようにするシステムがあります。(海外でも同じようなシステムがあります)

厚生労働省から医療用医薬品を扱っている製薬会社にスイッチ OTC にするように勧められることもありますし、製薬会社が厚生労働省に申請して街の薬局で売れるようにすることもあります。

国の医療費削減策の一つとなっています。

その際に、厚生労働省は有識者を招き評価検討会議なるものにて議論を行い、薬局・ドラッグストアで売っていいかどうかの判断をすることになります。

実はこのPPI・プロトンポンプ阻害薬は2009年にスイッチ OTC の候補として検討された経緯があるのです。

その当時、日本消化器学会と日本消化器内視鏡学会が反対して、お流れになってしまいました。

反対の理由は誤嚥性肺炎の頻度の悪化や骨の脆弱化、効果が良いために自覚症状が軽減され消化性潰瘍や胃がんの見落としなどが起こる危険性がある、というものでした。

国民の健康を守るためには致し方ない結論だとも取れます。

またこのように効果が強い医薬品については、薬局での販売の際、薬剤師が十分に管理をして対面で、文書にて詳細に説明をした上で、患者に販売することが求められていました。

しかし、それを十分に実施していない薬局が多いというのも、却下された理由のひとつでした。

OTC先進国アメリカでは

Pexels / Pixabay

ところが実は米国では2003年にすでに OTC として認可され、街の薬局で販売されているのです。

私も何度も買いましたが、ウォルマートのようなスーパーでも売っています。薬剤師の立会いや説明なんてありません。

スーパーの薬の棚に他の薬剤と一緒に置いてあります。 ただそれをレジに持って行って買うだけです。

しかもとても安いのです。

米国には日本のような健康保険制度はありません。無保険の人も結構います。企業に勤めている人は会社がとても高い保険料を支払っています。

そのためなのか、いわゆる薬局で売っている市販薬は、とても安い値段で販売されています。必要な薬剤は自費で買って治療する、セルフメディケーションという考え方ですね。

その際、日本よりも自由主義、競争主義が徹底されている国ですから、薬局の薬剤は結構安く販売されています。

有識者や医学界の反対

rawpixel / Pixabay

さて現在2018年。
米国でプロトンポンプ阻害薬が市販化されてからすでに15年経っています。

何も問題がなかったとは言えないでしょうが、日本の識者が言うような大きな問題は聞こえてきませんね。そんなことがあれば訴訟社会の米国ですからすぐに話題になっているはずです。

そして今回再度、日本でのスイッチ OTC 化が議論されました。

厚生労働省によって主導された「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」の議論の結論は、

今回も「スイッチ化を認めない」というものでした。

薬局薬剤師が十分に指導できず、大量購入をなどを防ぐための確認が徹底されていない、というのが反対の大きな理由でした。議論に参加した医師は、現在の販売体制では情報提供が十分には行われない、 と主張しています。

(私が米国で買うのはいつも42カプセル入り、それを2つ3つ買いますけど、、、)

個人的にはこの結論に唖然とせずにはいられません。

15年間大きな問題なく一般用医薬品として流通している国があるというのに、しかも薬剤師の指導など一切なく販売されてきた事実があるというのに、日本人は特別な体質だとでも言うのでしょうか?

日本のお家事情

mufidpwt / Pixabay

実際のところプロトンポンプ阻害薬がスイッチ OTC 化され、一般医薬品として街の薬局で販売されるようになったすると、最も困るのは医師なのかもしれません。

スイッチ OTC 化されると患者が薬局で薬剤を購入してしまい、患者さんが来なくなってしまうかもしれませんから。

先にスイッチ OTC 化された H 2ブロッカーという薬剤で見てみましょう。

この薬剤はアステラス製薬が開発して販売しているものです。(実際には儲からなくなったので、他の会社に販売権を売ってしまいました。もうすぐアステラス製薬の製品ではなくなります)

医療用には10 MG と20 MG の2種類があります。

ですがスイッチ OTC 化され薬局で販売していいのは10 MGだけです。

用量が大きい製剤は医師の指導下でなければ危険だということです。

なので、今でも効き目の強い20MGが欲しければ医師の診察が必要な状況になっているのです。

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海外ではそんな面倒なことはしませんよ。ま、そこは深く追求せず、、、

ということで、このH2ブロッカーの価格を見るみましょう。

本家のアステラス製薬が売っているガスター10MGの価格は、お医者さんの出す医薬品としての薬価が1錠22.3円です。自己負担3割としても、6.69円ですね。

ジェネリックメーカーの販売する同じ成分の1錠の値段は12.4円です。同じく自己負担3割で3.72円です。

お医者さんにかかると、処方箋料や初診料がかかりますが、3割負担で約1000円です。

アステラスのガスターを12錠もらったら、約1080円。
ジェネリックだと、約1045円の自己負担です。

全く同じものをアステラス製薬は薬局で売っています。CMで有名なガスター10」ですね。

そのお値段は1錠84円です。
これの12錠入りを買ったら1008円です。

金額としてはほとんど変わりませんね。

しかし、 お医者さんに行って診察されるまで待って、症状を伝えて、それでガスターを出してもらえるという保証もない。

そう考えると、街の薬局で手軽に購入したいと思う人が多いのもうなずけます。

プロトンポンプ阻害薬に続く医科向けの新薬はありません。

なので、お医者さんにとっては、プロトンポンプ阻害薬は胃の薬としては最後の砦。

簡単にはスイッチOTCさせないでしょうね。

さて、今度は何年後に検討するのでしょうか?

これでは、医療費削減もなかなか進みませんね。

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