以前の記事でHA-XC70BTの音の良さをお伝えしました。完全ワイヤレスにも関わらず響く重低音。ラバーで包まれたそのフォルムで人気の機種です。さすが老舗のJVCといったところです。
ですが、ここにきて新参メーカーも大健闘です。
TE-D01d!
TE-D01bをファインチューンして重低音が響く機種としてリリース。注文殺到で在庫がなくなり、予約注文中の人気の機種です。
今回はライバルにもなり得るこの2機種の比較記事です。
どうぞお楽しみください!!
TE-D01d vs. HA-XC70BTスペック比較
まずはメーカー公表のスペック表をご覧ください。
これを見る限り、TE-D01dの圧勝ですね。
TE-D01d | HA-XC70BT | |
タイプ | カナル | カナル |
音圧感度 | 91db | |
ドライバサイズ | 6mm | 5.8mm |
最大入力 | 5bW | |
インピーダンス | 16Ω | |
連続再生時間 | 最大9時間 | 約3時間 |
対応コーデック | SBC,AAC, aptX | SBC, AAC |
BTバージョン | Ver.5.0 | Ver.4.2/Class2 |
充電時間 | 約2時間 | 約2時間 |
防水性能 | IPX4 | NA |
リモコン | ○ | △ |
マイク | ○ | ○ |
保証サポート | 5,400円 (本体交換) | 5,000円 (本体交換) |
では、両方の機種を使った感想を書いていきましょう。
TE-D01d vs. HA-XC70BTどっちが勝った?
連続再生時間
TE-D01dの圧勝!
連続再生時間はTE-D01dはHA-XC70BTの3倍に及んでいます。
通勤時間の合間にイヤホンを使うのであれば3時間あれば十分です。
ですがちょっとした映画を見たいと思ったり、新幹線や飛行機での長時間の使用の機会があるのでしたら、3時間は心もとないです。
この連続再生時間が完全ワイヤレスイヤホンの欠点とも言えましたが、TE-D01dは見事にそれを克服したと言えるでしょう。
連続再生9時間もあれば日常のどのようなシーンでも困ることはないはずです。
対応コーデック
TE-D01dの勝ち
対応コーデックを気にする人もいるでしょう。
TE-D01dはaptXに対応しています。
iPhoneを使っている人には関係ありませんが、Androidや音楽プレーヤーをお使いの方にはaptXが使用できる楽しみがあります。
私はiPhoneなのでaptXでの音を確認できませんが、やはり解像度がとても高くなるとインターネットで呟かれています。
ただしaptXで接続すると、消費電力も大きくなり連続再生時間は2割から3割減少するようです。
また Bluetoothでの接続状況も悪化し、人混みが多いような場所では頻繁に切断されるとほ報告が寄せられています。
Bluetoothのバージョン
TE-D01dの勝ち
Bluetoothのバージョンは、HA-XC70BTが4.0に対してTE-D01dなので、TE-D01dの方がより安定してさらに省電力が期待できます。
Bluetoothのバージョンの違いだけではなく、TE-D01dは左右独立して親機になれる設計を採用したことにより、連続使用時間に大きな差が出ています。
今後この方式がメインになっていくでしょう。
最大連続再生時間9時間というのはやはり驚異的です。
接続安定性
両者互角
HA-XC70BTはBluetoothのバージョンが4.0であり、少し古い感じがします。メーカーホームページでは最適なアンテナ設計により安定した Bluetooth 接続を実現します。としか書かれていません。
一方のTE-D01dはBluetoothバージョン5.0でSoC、QCC3026の採用に加え、独自のアンテナ設計により、より安定したBluetooth接続を可能にした、と発表しています。
この情報だけを見るとHA-XC70BTの方が劣っているように読めるかもしれませんが、 実際に両者に大差はないと思います。
新宿を中心とするJR山手線や東西線、丸ノ内線、南北線で試しましたが、両者とも途切れることなく快適に使うことができました。
したがって接続の安定性という面では甲乙つけがたいと言ってよいでしょう。
防水性能
TE-D01dの勝ち
これについては、HA-XC70BTは防水性能の表示がないので、評価不能です。
汗で壊れるということはないと思いますが、 IPX4を表示しているTE-D01dの方が防水性能が高いことは明らかです。
IPX4では水没に堪えませんが.
バスタブに落ちないように気をつけるのならTE-D01dはお風呂でも使えそうですね。
リモコン操作
TE-D01dの圧勝!
リモコン操作については圧倒的にTE-D01dが勝っています。
TE-D01d のリモコンボタンは左右に割り振られており、クリック感覚もあり、誤操作も少ないと思います。
TE-D01dでは、電源のオンオフはもちろん、音量操作、曲の一時停止や一曲飛ばし一曲戻しもできます。
もちろん電話がかかってきた時の対応もリモコンスイッチで可能です。
一方、HA-XC70BTのリモコンは とても使いにくいと言えます。
この機種は落下の時にも壊れることがないように全体がラバーで覆われています。
その意味でとても安心感はあるのですが、リモコンスイッチはとても小さく押しにくい。
しかもできる操作は限られています。
電源のオンオフ。うまくペアリングできなかった時の再ペアリング。電話の受信。
これだけです。
つまり音楽プレイヤーの操作が一切できません。
慣れれば親機の音楽プレイヤーで操作をすればいいのでそれほどは煩わしくありませんが、やはりイヤホンにリモコンが付いていた方が便利だと思います。
音質
両者互角
ただし重低音はHA-XC70BTの勝ち!
さて肝心の音質ですが、私の感想では両者互角と言っていいと思います。
音響分野では老舗であり大手であるJVCの圧勝かと思いましたが、AVIOTも決して負けていません。
HA-XC70BTは、完全ワイヤレスにもかかわらず重低音が響くということで評判のイヤホンです。
確かにイヤホンチップを交換して、さらに専用アプリでバスを強調すれば、「ズン」という感じで重低音を感じられます。
この小型の筐体から鳴らす音としては十分でしょう。迫力があります。
ですが専用アプリを持っているわけでもないTE-D01dの重低音も、悪くはありません。
久しぶりにレインボーの楽曲を鳴らして聴き比べました。
ブリティッシュハードロックの激しいバス音も十分に再生してくれたのはHA-XC70BT。
高音の広がり、十分な重低音。思わず楽しくなって、机でリズムをとっていました!
まるでドラマーとベーシストが目の前にいるよう。そしてギターソロになると、しっかりリッチーブラックモアの姿が見えます!
私の耳ではTE-D01dの音質も、悪くありません。
ですがHA-XC70BTに勝ったとは言えないレベルだと思います。J-POPなどには向いているかもしれません。
ただし、TE-D01dはまだ十分なエイジングが済んでいません。中高音の評価をするのは時期尚早であることを付記しておきます。
携帯性
TE-D01dの勝ち
携帯性についてはTE-D01dのケースの方が小降りです。
この小さな収納ケースに1800mAhのバッテリーを積んで、モバイルバッテリーとしても使用することができます。
この容量ではiPhoneやAndroid をフル充電することはできませんが、それでも困った時には心強い相棒になると思います。
ただしTE-D01dのケースは背面にUSBソケットがあります。なのでコードを刺したまま持ち運ぶスタイルの場合、少し邪魔です。
HA-XC70BTのケースは円筒形で底面にソケットがあるので刺しっぱなしでも収納に困りません。
装着感
両者互角
私はこれら両方のイヤホンのイヤーピースをSONYのEP-EX11Mに換装して使用しています。
特にTE-D01dのイヤーピースは、材質がサラサラしており満員電車で外れてしまいそうな気がするので、お気に入りのイヤーピースに換装することをお勧めします。
同じイヤーピースに換装して装着した感じとしては両者に大きな差はありません。
TE-D01dには脱落防止のフィンがついていますが、あまり機能してるようには感じませんね。
双方とも小ぶりで重くないので、耳にフィットしたイヤーピースをつけていれば脱落の危険性はそれほど高くなさそうです。
まとめ
今回は音響の老舗メーカーであるJVCの人気機種HA-XC70BTと、「日本人のための音」を標榜して人気の高いベンチャーAVIOTの最新人気機種であるTE-D01dを比較してみました。
デザインの好みは別として、イヤホンで手軽に音楽を楽しむ目的であるならば、TE-D01dをお勧めしたいと思います。
ある意味全部込みで足りないものはほとんどない。最新最先端の機種がTE-D01dだと言っても良いでしょう。
一方で、しっかり音楽を楽しみたい。3時間再生できれば十分。重低音命!のあなたは、迷わずHA-XC70BTです。
もちろん上を見ればきりがありません。イヤホンに2~30,000円いや、もっと出してもいいという方なら他にも選択肢はあるでしょう。
しかし1万円と少しの価格で手に入れることができる完全ワイヤレスイヤホンということであるならば、これら2機種は買って損した気分にはならないでしょう。
TE-D01dは現在は品切れで入手困難になっていますが、あとしばらくすれば生産も追いつき入手することができるはずです。
値段はほぼ互角。
是非お気に入りの色を入手して音楽を楽しんでください。