起業するときには多かれ少なかれ資金が必要です。
銀行や政府機関にお金を借りるという方法が一番手っ取り早い のですが、お金を借りるということは返さないといけないということです。
失敗すれば借金まみれの人生になってしまいます。
順調に事業が立ち上がって、すぐに利益が出るのであれば返済には問題がないでしょうが、必ずしもそのようにうまくいくとは限りません。
できれば出世払い、事業が成功した時にお金を返す、という方が事業に集中できていいですよね。
現在では起業を支援する資金提供の方法が、いくつも提供されるようになりました。
将来起業を夢見るあなたへ。良いアイデアが浮かんでから資金調達を考えていたのでは手遅れです。今のうちに資金調達について知識を得て準備をしておきましょう!
事業を起こしたい!起業だ!
もし何か良いアイデアが浮かんだのならば、資金の確保が必要です。
起業を成功させるかどうかは「アイデア」と「あなたの能力」です。
今世の中に無いアイデアが浮かんだのならばチャンスです。今世の中にあるビジネスでも、それを確実に凌駕できると思えるアイデアならばチャンスです。
このような場合には、「返さなくてもいい資金」を得ることができます。
今回は「返済義務のない資金調達」について解説していきます。
企業による出資
アイデアがあって事業を起こしたい場には、企業による出資を狙うのが近道だといえます。
有名なベンチャーキャピタル(VC)も有効な資金調達として日本においても一般化してきましたが、資金を得るにはまだまだハードルが高いようです。
その点企業による出資であれば、資金調達のハードルはもう少し低くなります。
ただし、あなたに何らかのコネクションがあるか、誰かからの紹介が必要になることが殆どです。
だからこそ近道になるのです。だからこそ今から準備が必要なのです。
将来起業を目指すあなたなら、普段から業界の集まりに参加するなどして人との友好関係を広げておく事で、いざ起業するときの大きな力になると思います。
またそのような活動自体がアイデア創出につながることもよくある話です。
あなたという人間を知っていて、そこから出た「面白いアイデア」であれば、比較的簡単に資金調達できる可能性が高まります。
ベンチャーキャピタル(VC)による資金調達
日本では米国など海外に比較してVCの文化が育っていないと言われています。
保守的な文化がそうさせるのでしょうか?
下のグラフはVECという団体が発表した資料です。
他国に比べて日本でのベンチャー 投資実行額がいかに小さいのかが見て取れます。
引用:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター
それでも、数としては多くのVCが日本にも存在します。
「返さなくていい資金」の代表格のベンチャーキャピタルなので使わない手はありません。
ですが、「返さなくていい資金」ということはその裏に意味があるので、その意味を十分に理解しておくことが大事です。
端的に言ってしまえば、ベンチャーキャピタルから資金を得るという事は、ある一定レベルの経営権を渡すということです。
そしてそのことによるメリットとデメリットがあるので次に記します。
ベンチャーキャピタルのメリット
- 借り入れ資金は原則返す必要がない
- 万が一事業が失敗しても個人に借金が残らない
- 経営の専門家の意見やアドバイスを受けられる
- 会社の信用度が高まるので銀行融資を受けやすくなる
ベンチャーキャピタルのデメリット
- 資金獲得のハードルが比較的高い(将来IPO出来るレベルでないと難しい)
- 役員が派遣され経営に対して口出しがあり、好きなようには経営できない
- 成績が思わしくないと早期に資金を回収される危険性がある
エンジェル投資家による資金獲得
エンジェル投資家とは個人の富裕層で、見込みがあると思った案件に投資をしている人たちのことです。
現代の世の中は金余りです。
行き場を失ったお金が投資先を求めているのです。
昔「マネーの虎」という番組がありましたが、まさしくあのような資金調達です。
あなたのアイデアを投資家にプレゼンして資金を提供してもらう。
銀行融資のように毎月返済の義務はない。
その代り成功したら約束した対価を返す。そのようなモデルです。
さりとてどうやってエンジェル投資家を見つければよいかわかりませんね。
最近ではそのようなエンジェル投資家を探すサイトがあります。エンジェル投資家とのマッチングサイトですね。
例えば
これは冒頭に述べました企業による資金獲得と似ていますが、一個人の投資なのでそれほど大きな金額の投資は見込まないほうがいいでしょう。
ですが十分に一考の価値は十分ありますね。
また、その投資家の人脈を芋づる式に活用できることもあります。
クラウドファンディング(CrowdFunding)
これは、Crowd=群集からFunding=資金を得るという、造語ですね。
この手法は昔からあったようですが、インターネットの普及により弾みがつき、米国では法整備が進み、現在では資金調達の主流になりつつあります。
この資金調達の基本は3種類です。
- 寄付としてお金を集め、出資者に見返りなし
- 商品を早く購入できる権利を与え予約販売の形で資金を得る。見返りは商品やサービス
- エンジェル投資家の資金調達に近い。ビジネスの成功によりリターンを要求される資金調達
これにもいくつもサイトが立ち上がっていますので、参考までに3つほどサイトをあげておきます。
https://readyfor.jp/crowdfunding
政府補助金・助成金による資金調達
これは、中小企業庁や経済産業省が取りまとめている補助金や助成金を活用するものです。
補助金や助成金は政府の政策に沿って設定されます。
ほとんどの場合必要資金の全額が支給される事はありませんので、ある程度の自己資金が必要になります。
補助金助成金の募集サイト
これら資金は原則的には返済の義務がありません。
補助金と助成金の違いはあいまいですが、補助金の方が若干獲得が難しいと言われています。
また補助金の場合には申請期間が定められており、その期間も短いことが多いので常にチェックしておく必要があります。
一方の助成金は随時募集しております。
あなたの税金を使用して支出されている資金なので、目的が合致するのでしたらひチャレンジしてみてください。
ここまでが、返済の必要のない資金についての解説でした。
返済の必要のない資金を獲得するには、資金提供者を納得させるだけのアイデアや計画が必要です。
政府関連の補助金や助成金の場合には、必ずしも画期性を必要とされないこともありますが、将来の大きなリターンを期待する資金だと考えた方が良いでしょう。
ついでに一般的な事業のための資金調達についても簡単に記しておきます。
一般的な商売・事業の資金調達
一般的によくある商売、例えばラーメン屋、カフェ、蕎麦屋、居酒屋、ネットショップ、アマゾン輸出入など、既にあるビジネスに参入する場合の資金調達は、基本「借入」しかありません。もちろん自己資金は当然のこととして。
「借入」とは金融機関などから融資を受けて、決められた期間、利子をつけて融資金を返済する義務があります。
将来大化けする可能性は低いかもしれませんが、ある意味確実に営んでいくビジネスに適した資金調達です。
融資を求める先にはいろいろありますが、これまで取引がある銀行が真っ先に思い浮かぶと思います。
ですが、都市銀行はもちろんのこと中小地方銀行であっても新規立ち上げ事業に融資することはほとんどありません。
彼らはとにかくリスクをとりません。
銀行という事業は、貸した金が確実に返ってくるということを前提としています。
法人を立ち上げても取引口座さえ解説できないこともあります。
その観点からは、ある程度の実績を積んでから融資を申し込む先であると考えた方が良いでしょう。
したがって新規で融資を得るには、民間の銀行ではなく公的融資制度を活用することになると思います。
代表的なものは日本政策金融公庫の融資です。
融資を受けるための条件がいくつかありますので、公式サイトにてあらかじめ確認しておくことをお勧めします。
一般融資先の例
- 銀行融資
- 公的融資制度
日本政策金融公庫:
https://www.jfc.go.jp/
東京都中小企業融資制度:
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/
大阪府の制度融資:
http://www.pref.osaka.lg.jp/kinyushien/seido001/
福岡県信用保証協会:
http://www.fukuoka-cgc.or.jp/
北海道の制度融資:
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/
まとめ
今回は将来自分で事業を残したいというあなたのために、できるだけ簡単に資金調達について解説してみました。
過去に比較して資金調達自体はそれほど難しくなくなってきました。
十分に計画をしてその事業が魅力的であることを訴えることができれば、クラウドファンディングなどで資金を調達することが可能です。
しかもこのような方法で得た資金は原則返済の義務がありません。
これらは借金ではなくリスクマネーと言われる投資資金なのです。
あなたは自分のアイデアを実現し、そしてそれを大きく育てることに集中する。
投資家はそのアイデアに賭け、将来の大きなリターンを求める。
あなたのアイディアによって社会が大きく変わる。とても素晴らしいことですね。
ぜひ日ごろからアンテナを張って良いアイデアを創出してみてください。