スルガ銀行の不正不動産投資融資が解決されるか?物納の意味とは?

時事
Tumisu (CC0), Pixabay
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日経新聞をはじめいくつかのメディアで、スルガ銀行が関わったスマートデイズのシェアハウスをきっかけに明らかとなった不正融資の解決が見えてきそうだと報道されました。

報道によると、すでにスルガ銀行は投資ファンドに対して入札を求め、入札価格と債権額の解離が生じた際には債務者がその物件を手放すことで、借金がチャラになるという報道でした。

手放すもなにも、入札を求めている時点で債務者の所有としてではなく債権者の権利として債権取り立てに動いていることになるのですが、記事の意味が掴みきれませんね。

関係者に取材した現状をお知らせします。

 

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スルガ銀行はコメントなし!

今回の報道を受けてすぐさまスルガ銀行に内容を問いただした債務者さんからの情報です。

「今回の報道はスルガ銀行のコメントによるものではない。従ってスルガ銀行としては借金ちゃらという報道に対してコメントはできません。現時点では金融 ADR を使って、個別対応による元本カットに取り組んでいます。

ただし現時点で元本カットを実現したお客さんは一人もいません。その理由は、公平性を期すために銀行側の不正への度合い、所有物件の状況、その債務者の状況などを客観的に判断して元本カットの額を決めなければならないが、コンセンサスが得られていないのが実情」とのこと。

別の債務者さんからの情報では、「元本カットの実務は進んでいない。銀行として方向性は決まっているが、実務のレベルでどのような基準でどの程度カットするのかが決まってない。一度基準が決まれば順次動き出すはずだが、それがいつになるかは今は言えない」との行員コメントを得たとのことです。

 

報道は真なのか偽なのか

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geralt (CC0), Pixabay

上記の如く、スルガ銀行は自らは正式に物納や代物返済を認めてはいません。

所有物件を差し出すことで債務が免除されるとの報道ですが、その際の税金の扱いについても触れられていません。

一方、元本カットについては複数の筋からスルガ銀行が正式に債務者に通知して動いているとみなして良さそうです。

特にスルガ銀行の不正融資や詐欺的貸付をみとめ、それを第三者としての金融ADRを使うことで公平性を担保した上で、元本カット時に通常は課せられて然るべき税金がかからないように対応するといった措置が取られようとしています。

これは元本カットということではなく、債務者にたいする迷惑料の支払い、つまり慰謝料的扱いで相殺するという発想のようです。

確かに今回の件はオーナーたちにも責任はあるものの、上場銀行が全面的に推していた案件ということで気を許して融資を受けた人も少なくありません。

スルガ銀行は一連の不正融資事件を精算してしまわなければ再生はおぼつきません。

SBIグループが仕掛ける第四の都市銀行構想に参加できるかどうかも、この事件の精算が条件だとの報道もあります。

元本カットの話をうけて対応しているのは一部のオーナーたちで、「それでは足りない、担保物件を返すことでチャラにしなければ一切受け入れない」との姿勢を貫いている団体も存在するということで今回の報道になったのかもしれません。

まとめ

火のないところに煙は立たないと考えて今回の報道を信じるか、あくまで推測記事と捉えるのか?それほど遠くない将来に明らかになるでしょう。

いずれにせよ、スルガ銀行はすでにオーナー創業者一族を排除し、ノジマの資本を受け入れています。

さらに多額の貸倒引当金を計上した結果、1000億円にものぼる最終赤字を受け入れていますので、解決に向けて確実に前進しているとみていいのではないでしょうか?

世間では投資は自己責任という有り体のことが言われていますし、スルガ銀行関連の投資家が救われたら他の銀行で融資を受けている投資家も同様に債務減額や免除を言い出しかねない、との意見を述べている方も散見しますが、話が全くずれていると言わざるを得ません。

他の銀行が債務者の状況に応じて返済方法を協議することはあるでしょうが、スルガ銀行を引き合いに出して減額や免除に応じる必要性は全くありません。

一方で、悪の根元がスマートデイズにあるとしても、スルガ銀行が上場企業として投資家の判断を惑わす行動をとったことは事実ですので、その部分を免除するという発想は、他者から非難されるものではないのではないでしょうか?

 

ところで、本件の黒幕である佐藤氏や大地氏は今頃どうしているのでしょうか?

無罪放免、悠々自適の生活だと聞きます。なぜマスコミや世間はそれを忘れてしまのでしょうか?

とても不思議ですが、私の取材力ではそれの解明にはたどり着けそうにありません。(残念!)

 

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