新型コロナによる感染がなかなか収まりません。
日本ではワクチンの接種率が50%程度まで進んでいるようですが、連日テレビでは感染者数を大々的に報道して不安を煽っています。
国民の自制を促すための報道なら良いのですが、、、
今回はコロナの影響で職を失ったり、事業の継続がこんなになり、住宅ローンや事業ローンを返せなくなったときに債権者が行う銀行口座差差し押さえについての記事です。
口座差し押さえはいきなり来ない!
多くの人々は何らかの借金をしています。カードローンなどではなく、住宅ローンや自動車ローン、事業性資金の借り入れなどです。
なので、殆どの人に口座の差し押さえの可能性はあります。
借りる時はもちろん返済の目処が立っており、計画的に返済してきたはずです。
ですが、ここに来てコロナ騒ぎです。
これは全くの不可抗力、天災ですが、借金の返済は迫ってきます。
未曾有の天災なので貸出機関(銀行など)も強硬な策は取らないようで、返済の据え置きなどにも状況によっては応じてもらえるようです。
しかしいつまでも待ってもらえるものでもありません。
そしてその時がきます。
「期限の利益喪失」です。
これは、金融機関との契約で、その契約を守っている限り予め決められた一定額を決められた時期に支払うことが許されるものですが、その支払いを怠った場合、金融機関から督促状が届きます。
通常は3回程度の催告があるようです。毎月払いのローンを組んでいる場合、1回目の支払いを怠り、電話などで連絡があり、その後上記督促状が3回程度送られていくるというものです。
それでも支払わなかった場合、さらにその間に金融機関と相談しても緩和策が受け入れられなかった場合、差し押さえがなされます。
最も、住宅ローンの場合は住宅とその土地を担保にして借入していることがほとんどでしょうから、少し状況が異なり、金融機関はあなたに「期限の利益の喪失」を通知した後、借入金残高の一括返済を求めますが、通常それに応じるだけの資金はないでしょうから、その時点で担保物件は裁判所命令により仮再差し押さえとなり、さらに裁判所の指導によにり、競売という処理に向かいます。
競売もすぐに行われるわけではなく、「期限の利益喪失」通知が来てから、少なくとも半年程度はかかるようです。
その間、裁判所による仮差押命令が出て、土地建物の鑑定が行われ、適正な価値が設定されたのちに実際に競売にかかり、一番高い根をつけた者がその物件を入手することになります。
それまでに間はその建物に住むことができますし、競売が実行されるまでであれば、一括返済することで、競売を避けることも可能です。
一方で、競売で落札されてもローン残債が全て生産できない場合、いよいよ口座の差し押さえとなります。
口座差し押さえはどんな時に行われるのか?
通常、差押は、不動産から始まります。つまり借金をしている人が不動産を持っていればそれを先に差押、それでも足りなければ動産、特に現金が流出しないように、口座が押さえられるという理解で良いでしょう。
この場合も、いきなり押さえられて現金を引き出せなくなるのではなく、上記の手続きと同様に、裁判所の決済にて、仮差押から始まり、お金を借りている方の抗弁も許されますが、抗弁がかなわなかった場合、つまり借金を返済する義務があると裁判所が認めた場合、差押となり、口座にある預金はもとより、そこに給料が振り込まれるのであれば、それも使えなくなります。
この状況に至るには、借金の質や状況によりますが、早くても数ヶ月程度要し、事案が複雑で3番間が簡単には判断できない場合、1年以上かかることもあります。
このように、口座の差し押さえは段階を追って実行されていきますので、いきなり押さえられてしまうということはありません。
口座差し押さえの危機、さてどうする!?
借りたお金がやはり返さなければなりません。
それでも、今回のコロナのように不足な事態に陥ることもあります。
口座差し押さえの措置を受けそうになる前に、真摯な対応で債権者(お金を貸している人)に状況をお話しし、解決策を模索することが一番真っ当な方法です。
時間がかかっても返せる見込みがあるのなら、あるいは一時を凌げば返せるのであれば、先方も妥協してくれる可能性はあります。
もちろん、自堕落な生活をした結果借金を返せなくなったのなら、このような交渉も成り立たないでしょうが、今のような世界的な不可抗力の場合は意外と?話を聞いてもらえます。
また、これは決してお薦めする者ではないですが、口座は特定されて差し押さえられます。つまり相手が知らない口座は押さえられないのです。
なので、ネット銀行の口座などは押さえることが困難です。どのネット銀行のどの口座かなんてわかりませんからね。
ただし、たとえ口座を隠蔽できたとしても、給与所得者であれば給与支払い者に直接連絡され給与を押さえられることもありますし、事業主であれば取引先からの支払いを押さえられることになり、その時点でご自身の信用は地に落ちてしまいます。
やはり、最善の策は真摯な態度で借主に相談する、と言うことになるでしょう。
以上今回は、銀行口座の差し押さえについての考察でした。
私の所有するアパートには生活保護の方が多く住まわれている物件がありますが、ここに来て、夜逃げ、行方不明、窃盗による逮捕勾留、などが増えています。
コロナにより人々の心も余裕がなくなり、また中小企業も体力を使い果たす寸前まで来ているのかと、実感します。
それでも人生塞翁が馬、なるようにしかならないのですから、一喜一憂せず、常に前向きに、かつ真摯な態度で生きていたいですね。