ついに、スマートスルガ弁護団が行員と業者担当者を刑事告発しました。
有印私文書変造、偽造私文書等行使での告発。
「まずは事件の堅いところに絞って、告発状を出した」との発表。
この案件、どこに行くのでしょうか?

当初弁護団は、和解にむけて話し合うことを是としていました。
これまでにスルガ銀行担当弁護士団と数回の会合を持っていますが、いずれも話は平行線をたどり、被害者側弁護団の要望は受け入れられていません。
その間、金融庁からの徴求命令、強制立ち入り検査、スルガによる証拠隠滅の可能性から、第三者委員会の設置と進んできました。
そして、本日の刑事告発。
有印私文書変造、偽造私文書行使とはなんでしょうか
有印私文書変造
他人が押印・署名した権利・義務・事実証明に関する文書・図画を変造する犯罪
3年以上5年以下の懲役刑
偽造私文書行使
偽造または変造された文書または図画を行使したものは、偽造または変造したものと同一の刑に処される。
3年以上5年以下の懲役刑
さて、これによって弁護団は何をしようとしているのでしょうか?
勿論、犯罪を疑われる行為があり、大きな被害が出ている状況でそれを見過ごすことは無いのかもしれません。
被害を受けたと感じる側は、ただでは済ませたくないと、怒りにまかせて相手を訴えるという心境は理解できます。
全く変造に気づいていなかった被害者としては「あいつが私の書類を変造しなければ、こんなことになってなかったのに」、「どうしてスルガの行員は変造を示唆し、その書類を使って融資をつけさせたのか」との心境なのでしょう。
しかし、それならばなぜスマートデイズを告発しないのでしょう?
全ての根源はスマートデイズにあったはずです。
スマートデイズ創始者や元社長という、渦中の人物については手をこまねいて、とりあえず堅いところから告発するというのはどのような意図なのでしょう?
証拠がないのでスマートデイズ関係者を訴えることができないのでしょうか?(巷では、非常にうまく練られたケースで、スマートデイズやその関係者は自ら手を加えていないので、訴えることは難しいと言われていますが、実際のところどうなのでしょう)
とことん調査して、証拠が集まり次第、全ての悪を告発するのでしょうか?
行員や業者担当者が融資金を賠償する資力を持っているわけはないので、彼らと告発・告訴取り下げによる和解交渉も成り立たちません。
これまでずっと白紙撤回を主張してきた弁護団ですが、この告発の意図は正義のため!ということなのでしょうか?
短期決戦を目指していた弁護団ですが、この案件の落ち着くところはまだまだ見えてきません。