こんにちは、不動産投資家兼事業家のColoです。
2018年のスルガ事件以来、不動産市場では融資が通らなくなったとか、もう不動産投資は終わりだとか、悲観的な声も聞こえてきます。
この業界ではそこそこ有名?だった水戸大家さんも、そのあやしい手法が通じなくなって、優雅な六本木からの退散に終わらず、業界退散で今は???Youtuber的なことをやっているようです。
自ら不動産投資をしていた彼が撤退するのだから、やっぱり不動産投資はもうおわり?
さらに。煽るように「少子高齢化の日本なんだから不動産投資なんて儲かるはずない!」という評論家もいます。
そう考えるのも無理はありません。
では、本当に不動産投資は終わりなのか?
7棟、96室を運営する不動産投資家として、融資の状況とともに見ていきます。
不動産市況はどうなっているか?
スルガ事件が明るみに出だしたのは、2018年3月ごろで、そこから市況は冷え始めたと言われています。
全宅連が提供している資料を見てみました。この資料は2019年3月現在の資料ですから、市況が変化し始めてからちょうど1年経ったデータということになります。
個人住居の売買は、なんら影響がないようです。少子高齢化?の影響もありません。
首都圏の中古一戸建ての成約価格が前年比マイナス2.0%となっていますが、2017年比では上昇しています。
概ね安定した市場ということが言えるのではないでしょうか?
そのレポートに首都圏の一棟物件の情報が出ています。
首都圏一棟売り物件のデータから市況を読む
- そのレポートによると、一棟売り物件の登録件数は2018年中を通じて上昇。
- 成約件数の前年比は軒並み前年割れ。
- 在庫件数は上昇し2011年以降のデータとしては最高を更新しています。
さらに、不動産投資かが良く利用する健美家からの情報では、
一棟アパートの新規掲載物件の平均価格は216万円低下。
その結果平均利回りが0.1%アップ。
区分マンションについてはほぼ横ばいだが、平均価格は11万円低下、利回りは0.12%アップ。
と記されています。
これらのデータが何を示しているのかを分析してみましょう。

Ricinator (CC0), Pixabay
売り物件の登録件数が上昇しさらに在庫件数も上昇しています。
このことから物件を持ちきれずに売り出そうとしている人が増えていることが伺えます。
投資物件の入れ替えだけでここまで登録件数が増えたり、在庫件数が増えたりすることはないでしょう。
ここからは推察になります。
2015年の頃から不動産投資バブルが始まっていたと言われています。
本来融資がつかないような属性の方(年収が足りない、保有金融資産が足りない、勤め先に問題がある、など)にも融資がついた時代です。
日銀のマイナス金利政策の影響で、利益をあげられなくなった銀行が、頼みの綱として投資不動産融資に力を入れていたのです。
スルガスキームと言う詐欺に値する手法はもとより、多くの不動産業者が購入者の金融資産を書き換えたり、源泉徴収票を偽装したり、契約書を書き換えたりして融資を通していました。

Vitabello (CC0), Pixabay
金融機関も馬鹿ではありません。
これらの不動産業者による不正に気づかないはずはありません。
しかし他に良い稼ぎ口がないため、銀行側も見て見ぬふりをしていたのでしょう。
その結果、鼻から利益が出ないような物件を掴まされた素人の投資家も多かったはずです。
しかも十分な金融資産なしで購入したので、維持することも困難になってきた人は少なくないはずです。
そこにきて不動産投資について経験も知識も足りないため、世間の噂(不動産投資は危なくてオワコン!)に慌てて売りに出している人が増えている。
それが現在の状況だと推察できます。
2019年不動産融資状況|銀行員と不動産業者からの情報
私も付き合いがある静岡銀行の担当者、並びにこれまでお世話になった不動産業者に現況を聞いてみました。
静岡銀行は静岡の地銀なので、静岡物件に力を入れているのかと思いました。
静岡銀行担当者からの情報
ところが驚いたことに、静岡銀行担当者曰く、

静岡県の物件はお勧めできません。たとえ表面利回りが高くても融資はなかなかつきませんよ。賃貸物件の競争が激しく、空室も多いのです。
とのことでした。
神奈川県、首都圏を得意とする不動産業者の情報と
不動産業者は廃業に追い込まれてた会社も少なくなかったようです。もちろんそれらの会社は怪しいことをやっていのでしょうから、仕方ないですね。
まともな会社はもともとそのような物件やお客さんを扱っていなかったので、楽ではないけれど、廃業に追い込まれるような状況でもないようです。

融資がつかないということはありません。確かに以前に比べると審査は厳しくなりましたね。フルローンやオーバーローンはほぼ不可能になっています。

しかし、ちゃんとした属性の方で、金融資産を見せられる人であれば問題なく融資はおりています。
むしろ、表面利回りも少し良くなってきており、じっくり探せば良い物件が結構出てくると思います。
と言っていました。
大吉投資不動産からの抜粋
以下上記業者さんのページからの抜粋です。
不動産投資家には強い見方である、オリックス銀行は問題なく融資業務を推進されているようですね。私も融資していたいただいていますが、結構安い金利で長期貸してくれます。ただし、頭金は2割が原則なようです。
三井トラストローンさんとは私はお付き合いがないのですが、積極的なようです。次はこちらでお願いしようかな?
オリックス銀行→まだしっかりと融資は出していただいており、今年はRC造の融資も積極的にしようとお考えのようです。
三井トラストローン&ファイナンス→まだまだ積極的ですが、相談件数が多いことから打診に少し時間がかかるようになっているようです。
北関東エリアの融資はかなり消極的になっており、評価はとても厳しめとなっております。
静岡銀行→不動産投資家はとても重宝していたワイドローンというアパートローンの商品がなくなり、プロパー1本になりました。
整理すると、下記のような状況です。
まとめ
不動産投資市場は、活況を呈しているという状況ではなさそうです。
むしろ正常な状態に戻ってここから良くなっていきそうな状況です。
不動産投資というのは、ロバートキヨサキの「金持ち父さん貧乏父さん」でも紹介されたので、不労所得の最たるもののように思えます。
実際のところは、意外と気苦労も絶えませんし、必ず入居者は退去するので不労所得というわけではありません。
しかし良い物件を入手して、良い管理業者と組めば、そしてきっちりと税金対策をすれば、とても効率の良い投資であり克事業と言えます。
実際との投資としては、
5000万円の物件を買うのであれば、2割を頭金に入れて、それ以外に1割程度のキャッシュを持っている状況であれば、騙された物件を買わない限り失敗はしないはずです。
つまり5000万円の物件を買う場合でも、1500万円程度のキャッシュが必要ということです。
その理由は、新築物件ならいざ知らず、
それらをまかなうために、物件価格の1割程度のキャッシュが必要ということになるのです。
不動産投資はそれほど簡単ではありません。
一方で、良い物件に巡り会えれば、今までと全く違う世界を見ることができます。
青色申告ができるようになれば、結構な額の経費を使うこともできます。
賃貸収入と売却時の利益を考えれば、 やらない手はない、ただし自己資金があるのなら。
私はそう思います。