スルガ銀行、スマードデイズによるカボチャの馬車騒動も少し静かになりました。
勿論まだまだ解決までの道は遠く、スルガ銀行の決算短信を見ても、正常債権(契約通り返済を行なっている債権額)は16.1%であり、破産更生債権等に分類される債権額は659億円/2,515億円で27.6%に登ります。未だまともに交渉せず、あるいは弁護団に委ねて交渉が進まない人たちはここに分類されるのでしょう。
残りの1,412億円/2,515億円、56.1%はなんらかの歩み寄りにより返済を開始している債権だと推察されます。
少しずつでも返済していけば、最後はなんとかなるかもしれませんからね❤️
シェアハウスの運営はそう簡単なものではありません。アパート経営とは質が異なります。
しかし、やり方によっては経営としてちゃんと成り立ちます。
私もシェアハウスを含む賃貸住宅経営者です。
今回時間ができたので、自分が所有するシェアハウスの相談を兼ねて、取材がてら大手シェアハウス管理会社社長にお話を聞く機会をいただきました。
全てを明かすわけにはいきませんが、私が経験していることを含めて解説していきます。
シェアハウスの現況
シェアハウスでは、コンセプトハウスと言って中〜大規模で、なんらかのテーマを持ったシェアハウスが人気です。
このような物件は比較的良い立地に建てられ、家賃も必ずしも格安とは言えない物件が多いようです。物件によっては常に満室で空室待ちが出るほどの盛況さだと言います。
一方で、パンドラの箱が開いた様に市場に解き放たれた、かぼちゃ系シェアハウス=都心に安く手軽に住むことがコンセプトの物件が存在します。
このような物件は従来からあった一軒家を改造したようなシェアハウスとは一線を画するものの、特徴がないため家賃の安さが売りになっています。
もちろん立地が良くて駅近の物件は例外となりますが、かぼちゃの馬車が大量に建設された東京東部地区では、相当な価格競争が起きているとのこと。
コンセプトハウス
コンセプトハウスというのは、例えば音楽が趣味とか、ゴルフが趣味とか、子育て中のシングルママの集まり、などのなんらかの趣味や目的が共通する人たちが集っています。
住人は殆どが日本人で、それなりの需要があるとのことで、家賃は必ずしも安くないとの事でした。
しかしこれらは、それなりの設備が必要であり、また規模も大きい傾向があり、個人オーナーが手軽に手を出せるものではなさそうです。
コンセプトが受け入れられれば、それなりの家賃で満室経営も決して夢ではないとのことでした。
かぼちゃ系シェアハウス
もう一方のかぼちゃ系ですが、これらは10〜20室程度でリビングもないことが殆どです。
かぼちゃ系と同じような設計でリビングを有しているシェアハウスも存在しますが、リビングの有無で集客に大きな差はないと。
むしろ、女性専用のシェアハウスでリビングを提供している場合は、トラブルが発生しがちと言及されていました。
かぼちゃ系シェアハウスのオーナーは4つに分けられる
この様な4パターンが存在する様です。
(何もせず放置状態の方も少なからず存在するとも)
シェアハウスに住もうとする人たち
ここまでの情報である程度推察できると思いますが、コンセプトハウスに住もうとする人たちは、何か問題を抱えていることは無いようです。むしろ何かを誰かと一緒に楽しみたいという人々の受け皿になっているのがコンセプトシェアハウス。
ただし、コンセプトハウスであっても少しおかしな人が紛れ込むことがあります。
例えば、私が所有するコンセプトハウスには、時々おかしな人が問い合わせをしてきます。
内見がしたいとの問い合わせに即返信しても、それ以降音沙汰なしとか、
保証人が必要だと伝えたとたん、連絡が途切れるとか、
前払金が必要であるとわかった段階で、連絡がなくなるとか、
共通していることは、「何か都合が悪くなると、一方的に連絡が取れなくなる」と言ういうこと。
これらの人々は、例え入居いただいても後々問題を起こすことが多い印象があります。
一番の問題は、家賃の不払い。
今までに数名に不払いで夜逃げされ、回収不能となった家賃は100万円を超えます。
また、私のところでは幸い経験がないのですが、日本人で家賃を安く設定したシェハウスに住む人の傾向として、ギャンブル好きな人が多いとのこと。
彼ら彼女らは、生活費よりもギャンブルにお金を使ってしまい、しかたなく初期費用がほとんどかからないシェアハウスに転がり込むと。
管理会社がキッチリしていないと、この様な人たちに部屋を貸してしまい、トラブルに見舞われることになります。
日本人は外国人よりもキッチリしているか?
これは、管理会社社長の言ですが、

外国人よりも日本人の方が始末に負えない人が紛れ込む
との事。
日本人は躾がしっかりしていて、部屋も綺麗に使うだろうと考えるのは、幻想です。
日本人でもキッチリしている人とそうではない人が存在します。
お金がないという理由でシェアハウスに住む人は要注意。家賃未納だけならまだしも、アルコール中毒や薬物中毒者も紛れ込みます。
そうなると、他の住人さんにも迷惑がかかりますので、オーナーも管理会社も大変です。
では外国人はどうかと言うと、

多くの場合、至極まともで、トラブルもほとんどない
との事。
理由は、外国から日本に来る際には、留学先とか仕事先が決まっており、留学生は親がある程度裕福である事。
そして仕事が決まっている人は、国への仕送りも考えているので、おかしなお金の使い方をしないのだそうです。
たしかに最近は理解に苦しむ日本人が増えてきているように感じます。
大家業をするようになって、余計に強く感じますが、電車にのっていても???という感覚を持つのは私だけでしょうか?
話が逸れました。
日本人と外国人、一概には言えませんが、家賃が低めのシェアハウスなら、外国人の方がマナーが良さそうだという経験論でした。
今後の予想
社長さんの予想を伺いました。
あくまで個人的感想との事です。
今後更に家賃値下げ競争が生じる可能性が高い。その根拠は管理能力も客付け能力もない人たちがシェアハウスを運営しているから。
なにも手を打っていないスルガ銀行・スマートデイズシェアハウスオーナーは今後苦境に立つでしょう。安く手放さざるを得ないかもしれません。だからといって、それらを安く手に入れた次のオーナーが破格の家賃で運営することはないでしょう。ただ儲けるだけ。それがこの業界です、と言われていました。
東京の東の方の物件は西側の物件に比較して家賃相場が低く、更に家賃が下がる傾向ですが、ここに打つ手は無いようです。
今後、 メンテナンス費用が増加してくるので、それを見越した経営が重要。設備増強よりも現状をキッチリと維持できることが大事と強調されていました。
以上
まとめ
今回機会があり、大手シェアハウス管理会社の社長さんとお話しすることができました。
感想として、かぼちゃ系の比較的家賃が安いシェアハウスは、入居付けを間違えるとトラブルが多く発生して、結局損失が大きくなる。
東側の物件は苦戦が避けられない。
市場を熟知した管理会社と手を組むことが好転への秘訣
メンテナンス費用をキッチリと貯めておいてくださいね!
という教訓でした。
私のコンセプトシェアハウスはなかなか満室にはなりませんが、おかしな住人もいなくなり今は皆さん楽しくやっているようです。
管理会社さん、しっかりお願いしますよ!!