皆さん、海外に送金する機会はありますか?
誰にでもその機会はありますよね。
ちょっとした物の購入や、御子息が留学中で資金を送るとか、自分の海外銀行に送るとか、はたまた投資物件の支払いのための資金とか。
しかし!
今の日本の金融機関は金融庁のお達しでがんじがらめ。まともに海外送金なんてできやしません。
しかも送金手数料がべらぼう! 暴利! 闇金ですか?って感じです。
今回私は海外の投資物件への支払いのために海外送金が必要になったので、そのやりとりをお送りします。
是非ご参考に!
タイへの送金は簡単ではなかった。

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今回私はタイはプーケットの、リゾート・コンドミニアムへ投資をします。
金額は1000万超。ハワイの物件と比較したら格段に安いですね。
これはLease Holdと言って借地権の物件なのです。日本人はとにかく土地取得願望が強いですが、如何せんタイでは外国人が土地を100%購入することはできませんし、土地を買えばその分税金の支払いも増えます。
借地権と言っても90年。さらにそれを転売したらそこから0に戻って90年になるのですから、わざわざ所有権を得る必要もありません。
ということで、少し脇道にそれましたが、その投資金を支払う必要があり、海外送金を試みたということなんです。
そして、今回は妻の投資ということで、妻が海外送金を試みました。必要資金は、、、、、
なんと、タンス預金!
奥様、日本の政治はもとより、銀行も全く信用していないので、せっせとタンス預金していたのです。
どこに?
はい、我が家には、結構立派な金庫がございます!! (泥棒さん、今回の件で金庫は空っぽなので狙っても無駄でございます)
そのタンス預金をわざわざ三菱UFJ銀行の自分の口座に入金して、「契約書」、「身分証明書」、「マイナンバーカード」、「預金通帳と印鑑」、「Invoice」を持って銀行窓口へ!
なぜ三菱UFJ銀行なのかって?
それはタイで作った銀行口座と、今回の取引先企業のタイの銀行が三菱UFJ銀行と提携しているからです。
しかし、結果、「タンス預金では送金できません!」とのことで玉砕してしまいました。
わざわざ都心の支店まで行ってくださいと言われて手続きに行った奥様は、もちろんカンカンです!!
銀行とのやりとり

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では、銀行とのやりとりを実況中継でお届けします。

すみません、プーケットのコンドミニアムに投資したいので、その代金の一部の海外送金をお願いします。

では、契約書や請求書などとともに必要資料にご記入お願いします。

はい、これで良いでしょうか?

しばらくお待ちくださいませ。

お客様、お客様の口座には2日前に現金が入金されています。このお金の出所はどこでしょうか?

このお金は、家に貯めてあったお金です。

タンス預金ということでしょうか?もしそうでしたらお取り扱いは致しかねます。

は?自分のお金なのになぜダメなんですか?

お金の流れが掴めない状況ではお取り扱い致しかねます。

そうは言われても、このお金を送金しなければ代金不払いになってしまうんです。間違いなく私のお金ですし、私の通帳を見て貰えば、毎月給与が入った後全額引き下ろしていることが分かりますよね?それを貯めていたお金ですし、主人からの生活費の一部も貯めていました。なぜダメなんでしょうか?

少しお待ちください。上長と相談して参ります。
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待たされること数十分。

やはりお取り扱いはできません。ルールですので。

では、どうすればできますか?

出どころがはっきりした資金であれば送金できます。例えば、ご主人の口座で、送金するお金の動きがわかる状況で、相手にInvoiceの宛名をご主人に変えてもらってご持参いただければ手続きいたします。

ですが、主人は三菱UFJの口座は持っていませんが、、、

では、当行では対応できません。いずれにせよお金の動きが見える状況でなければ海外への送金はお取り扱いはできません。
このやり取り、実は一時間以上かかったのです。
現在の金融機関の海外取引の状況

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以上、見てきましたように日本の銀行での海外への送金は相当厳しい状況になって来ています。
2014年と2015年に米国に送金した時はここまでは厳しくなかったです。
他の記事で海外銀行振出の小切手の現金化についても解説していますが、日本はまさに鎖国状態です。
日本の国税局は、マネーロンダリングはもとより、日本の富裕層資金の海外流出を大変恐れています。
確かにマネーロンダリングということであれば問題ありますが、自分のお金を海外に送金することもままならないのです。
もちろん考えようによっては、
・そのお金は贈与税の対象になるのではないかとか?
・不正な方法で得たお金ではないか?
という考え方もできるかもしれません。払うべき税金は支払いなさいと。
しかし、今回の件はそのどれにも当てはまりません。税金は、ちゃんと支払っていますよ、還付されるぐらいにね。
私の感覚がずれているのかもしれませんが、たかだか数百万円のお話です。
そしてこのような規制をしても当然世の中には他にも方法があるということを忘れているようです。
さらに言うならば、一行だけの金融口座保有ということもあり得ず、今回の件で言えば、他の証券会社から三菱UFJに株や債権を売ったお金を入金させていれば問題なかったのでしょうか?
その場合でも、その証券会社に一旦お金を入れて、そこから移動させれば三菱UFJの行員には調べようがないはず。
なんともお粗末で幼稚な対応と思ったのは私だけでしょうか?
そして、結構な額の振込手数料と為替差益を得ることができなかった三菱UFJ銀行。
世の中もっと進んでいるのですよ。
ということで、今回は海外送金専門業者のTransferWiseを使って送金することにしました。
まとめ
わざわざ電車に乗って海外送金手続きが可能な銀行の支店まで赴き、必要な書類を書いて提出したにも関わらず、銀行からは海外に送金できませんでした。
その理由は送金しようとしたお金が数日前に口座に現金で入金されたからということです。
そのお金が何ヶ月も何年も前からその口座に存在したならば問題なかったと。
しかし、金利などゼロに近い銀行の普通預金口座や定期預金口座にそのような大金を入れているお人好しがそれほどたくさんいるのでしょうか?
そしてそのような人が海外への投資のために資金を送金しようとするような行動をとるのでしょうか?
1銀行のチェック方法では限界があります。
他の金融機関、例えば証券会社で運用していたお金をこの銀行に振り込んだとしても、振り込まれたお金が本当に証券会社で長らく運用されていたかどうかを銀行が知る由はありません。
このような不完全な運用ルールで、日本の経済活動を停滞させてしているとしか思えません。
世の中すでにボーダーレスなんですけどね。
これではますますネット銀行や、海外送金専門業者が台頭して、都市銀行の必要性など一般市民には皆無となることでしょう。
次回はトランスファーワイズを使っての海外送金についての記事です。
お楽しみに。