プライベート エクイティ ファンドってやばいの?やばくないの? 

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プライベート エクイティ ファンドをご存知でしょうか?  

少し前の事情を知っている人には、「ハゲタカ」のイメージが強いかもしれません。  

私も、起業を考えるまでは悪いイメージしかありませんでした。  

  

ところで、つい最近、製薬産業で異端のファンディングがありました。 

長期収載品のみを扱う企業の設立を決めた、ユニゾン・キャピタルによるLTL ファーマへの投資です。

それを見て、 プライベート エクイティ ファンドの役割や目的を再考したく、当記事を投稿することにしました。

 

プライベート エクイティ ファンドはなぜ投資するのか、そもそもプライベート エクイティ ファンドとは何なのか? 

事業主や、これから起業を考えている人、就職を考えている人にとっても、プライベート エクイティ ファンドは知っておいて損は無い存在です。  

  

難しいことはさておいて、基礎知識レベルとして理解しましょう。  

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プライベート エクイティ ファンドがハゲタカと言われる理由は?  

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まずプライベート エクイティ ファンドは何かを簡単に言えば、

調子の悪い企業や部門に資金を投入して、価値を高めて売却して利益を得る投資商品であり、それを運営する会社を示すこともある。

と言えば分かりやすいでしょうか?   

場合によっては、未上場株を安く仕入れて労せず巨額の富を得られるので、ハゲタカと言われるのです。  

  

記憶に残っているのは、リップルウッドによる日本長期信用銀行の買収・売り抜けです。  

2000年3月、経営不振に陥った日本長期信用銀行が国有化されたのち、リップルウッドと呼ばれる米国の投資ファンドを中心とする投資組合「ニューLTCBパートナーズ」に買収され、新生銀行となりました。  

この買収に際して契約に盛り込まれた条文が、極めて「ニューLTCBパートナーズ」に有利なものでした。  

それは、瑕疵担保条項。  

政府からの買収後、保有債権が、3年以内に8割以下に下落したら国に買い取り請求できるというものでした。  

これをニューLTCBパートナーズは積極的に活用し、新生銀行は、保有する債権を紙くず同然の価値として積極的に処理し、国から8兆円もの公的資金投入を得たのです。  

そのあおりを受けて破綻に追い込まれたのが、ライフやそごう、第一ホテルなど長銀から資金を得ていた企業です。  

リップルウッドやその投資家たちは、10億円で長銀の株を入手し、そこに1200億円の資金を入れたとされています。  

その後、国からの公的資金注入を得て新生銀行は不良債権を処理、再上場させた際に、リップルウッドたちは保有株を2300億円で売り抜けました。  

労せず1000億円以上の利益を得ることに成功した投資家たち。  

一方では8兆円もの国税を使用した国と破綻に追い込まれた企業群の存在。  

  

これがその当時の投資ファンドの手口だったわけですから、ハゲタカと言われても仕方ないでしょう。  

もっとも、その後彼ら投資ファンドも態度を改め、荒いことはしないように心がけてはいます。  

そして、外資の投資ファンドだけではなく、最近では日系投資ファンドも設立されています。  

  

プライベート エクイティ ファンドの役割  

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プライベート エクイティ ファンドは本来、単に企業に投資してリターンを得るだけではありません。  

  

 

1. 投資案件の探索や絞込み  

. 適切な手法で事業や企業に資金を投入  

3. 事業計画策定や実行の支援、直接介入  

4. 売却、株式公開などによる利益化  

 

  

広義には、ベンチャーキャピタル(VC)といわれる立ち上げ期の小規模企業への投資活動も含みます。  

  

順番に見ていきましょう  

某ファンドVCの社長さんへのインタビューからの抜粋です。  

1. 投資案件の探索や絞込み  

投資案件は、向こうからやって来ることもありますし自ら探すこともあるとのことです。私たちが想像する以上に多くの案件があるのだそうですが、実際にファンド=投資をする案件は100件に1件程度しかないとおっしゃっていました。  

  

2. 適切な手法で事業や企業に資金を投入  

資金の投入方法は、基本的には株式による資金投入です。企業側は銀行からお金を借りるのではなく株を渡すだけですので、すぐさま返済を迫られるわけではないことが特徴。  

一方で、銀行からお金を借りる以上に経営に関与します。ファンドは企業価値を高めてExitしないと資金が回収できないのですから必死になります。  

 

3. 事業計画策定や実行の支援、直接介入  

上述の如く、投入資金に利子をつけて返してもらえる保証がないわけですから、ファンドはきっちりと絵をかきその実行を求めます。それが嫌でファンドやVCからの援助を躊躇する経営者もいます。  

一方で、ファンドやVCはある意味経営のプロですし、場合によっては適材を外部に頼って経営させることもあります。  

ここで人選を間違えると、投資資金は焦げ付くことになります。  

  

 4. 売却、株式公開などいよる利益化  

ファンドやVCExitは投資先が利益をあげて配当を出すことではありません。  

彼らは、投資先企業を他社に売却するか、株式公開させて売り抜けます。いわゆるキャピタルゲインを得ることが最終目標になります。そこで得た利益を投資家に還元することが、ファンドやVCの使命です。  

 

以上みてきましたように、ファンドは最終的にキャピタルゲインを求めます。  

その意味で、どうしてもハゲタカのイメージは完全には払しょくできません。  

  

しかし、経営者に寄り添い、企業価値を高めることに注力して、直接間接に援助する、という意味では心強いパートナーだともいえますし、すぐに返済に回す資金がない場合には、ありがたい資金源だともいえるでしょう。  

  

まとめ 

見込みのある企業や事業の未公開株に投資して売却益を得るのがプライベート エクイティ ファンド。  

素人の場合は、株に投資したり、FXでがんばっても、失敗して資金を無くすことの方が多いようです。 

その点、プライベート エクイティ ファンドはプロ集団なので、そこにお金を預ければ高い確率で収益をあがられそうですね。 

  

就職先としても面白そうです。ファイナンスの知識を磨くことができ、企業経営というものも理解できるようになれそうですね。 

  

また、起業家にとっても役に立つ存在なので、場合によっては賢く利用したいものです。 

  

ところで、冒頭のLTLファーマ、代表取締役は社会に「貢献したい」と述べています。ぜひ頑張ってもらいたいところですが、当のユニゾン・キャピタルはどんなExitを描いているのでしょうか? 

  

この会社、ガンガン成長して上場できそうには思えないので、どこかに売却するのでしょうか?しかし有力な引き受け手候補であったファイザーはその事業から撤退してしまいました、、、どこかの後発品メーカーに売却でしょうか?

こうじゃつ品メーカーも国内の頭打ちを覚悟して、海外に活路も見出そうと躍起です。その状況でこの会社を買うのかどうか、ファンドの投資のプロは未来に何を見ているのか?

数年後が楽しみです。 

 

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