やっぱりやった武田薬品が大衆薬事業を売却リストラ加速!

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以前の記事にも書きましたが、やはり武田薬品工業は一般大衆役事業をリストラ、売却しました。

売却先は米国投資ファンド大手のブラックストーン(ほぼ確定:日経新聞)。

この売却により、アリナミンやベンザなど世間によく知られた製品を有する武田コンシューマヘルス株式会社を手放し、シャイヤー買収で重荷になっていた債務の縮小を図ります。

「あの武田が、、、」と宣伝していたユーグレナ製品の緑の習慣という製品も売却です(いさぎよし!)

製薬会社的観点としては特に違和感はありません。

特に世界のメガファーマと伍するのであれば、利益率の低い一般大衆薬を傘下にもつ意味はあまりないからです。

しかしながら驚いたのは、武田コンシューマヘルスの切り離しだけではなく、本体のリストラも同時に実行するという事。

詳しく解説していきます。

 

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武田薬品工業、一般薬事業の売却のどさくさで国内リストラ!

2020年8月19日、最新ニュースによると、MRや事務職などのリストラに着手した模様。既にリストラがほぼ完了している研究職や製造関連は対象外のようです。

早期退職の募集人数は非公表ですが、数百人に及ぶ可能性があります。退職日は2020年11月30日。もうすぐですね。早いです!これは結構な強硬策です。

今回のリストラの特徴は30歳以上の国内事業従事者という事でしょうか?武田もシャイヤーも全世界で事業展開していますから、他国でのリストラが無いというのは不可解ですので、時間の問題でしょうか?詳細は不明です。

シャイヤーを買収した時からわかっていたこととはいえ、武田の従業員の心境はいかに?ましてや本件を強行したCEOのクリストス ウェバー氏がメガファーマでも支給されない10億円超の収入を得るようになっていることを鑑みると、やるせなさが伺えます。

 

武田薬品工業の歴史

武田薬品工業は武田長兵衛が1781年6月12日に薬種問屋として事業を開始したのが始まりです。日本の老舗の製薬会社は多くが薬種問屋が前身ですね。

当時、日本には創薬の技術はなかったのですから、当然といえば当然です。つまり海外の薬品を輸入して販売することから始まった会社です。

かつては農薬なども手がけ、古くにはプラッシーなる清涼飲料水を米屋さんで販売していましたっけ。園芸用の飼料も販売していましたね。これらは順次リストラされ、現在は医療用医薬品と一般医薬品および健康食品だけになっていました。

今回創業239年と少しを迎えての純粋医療用医薬品会社への脱皮ですが、昔からの関係者は少し嘆いているのかもしれません。

どうせなら240周年の切りの良いところで、という感じもしますが、そんなノスタルジックなことを外国人CEOが考えるはずもないですね。

青い目のCEOは勝負に打って出て、すでに年収は10億円を超えていると会社が公表していますから大したものです。世界のメガファーマでもこれほどの年収は取れませんから。

さりとて特段秀でた研究力がない?(開発力は、ある意味ありましたね!薬になるはずのないアバン、カランなんて薬剤の承認を得て散々儲けていましたっけ?)企業としては生き残りをかけて勝負に出たのは、今後の結果は別として、ファイザーに似た戦略で、なんとかなりそうな気もします。

前社長があまりにも、、、、でしたからね。

完全子会社の武田コンシューマーヘルスケア株式会社(2019年3月期の売上高は641億円、営業利益は129億円)の売却はなんのため?

129億円の利益が出ている事業を売却するのは何故なのか?

少し不思議に思いますか?

理由は、シャイヤーの買収負債があまりに大きかったからでしょう。

と言うか、シャイヤー買収のビジネスプランとしては既定路線で、苦しくなったからの売却ではなく、最初から要らない部門は切り離す!利益率の高い医療用医薬品に資源を集中して生き残る、戦略ですよね。

有利子負債が19年12月末時点で5兆円。債務圧縮のために計100億ドル(約1兆円)の資産売却が必要だったわけで(と報道されています)、これまでに売却した資産79億ドルに、今回の売却額を足しこむと100億ドルは達成できそうだと。

ま、マネーゲームですよね、これって。

もちろん、これを否定するわけではありません。今後武田薬品が世の中の役に立つ医薬品を世に出してくれるのであれば。

 

 

武田薬品の将来はどうなの?

武田薬品そのもの研究力はお世辞にも強いとはいえないと思います(個人的意見です)。

バイオにも遅れていますし、鳴り物入りで投資した湘南研究所は今は他者との共同研究のための箱になってしまい、多くの研究者はすでにリストラされています。

将来を憂いる社員はすでにリストラ発表前から当社を見限り、自ら辞めて行っていると聞き及んでいます。

望みの綱はシャイヤーの有するパイプラインと研究力でしょう。

それでも、他のメガファーマとの比較では、それを押しのけていけるほどの勢いがあるのか、、、。

医薬品の研究開発の世界はすでに過去の延長線上にはなく、新たなは発想が求められています。

その意味ではシャイヤーの買収は必然の手であり、それをなくして武田の存続はないとの判断があったのかもしれません。

今後どうなるのか?

医薬品は、必ずしも狙った通りの開発ができる産業ではありません。

事実、研究のメルクと言われた米メルクもシェリングプラウをリバースマージャーで手に入れざるを得ない状況に陥り、現在の稼ぎ頭は小野薬品にライセンス料を支払って販売しているキートルーダ。つまり自社の研究から出た製品ではないのですから、生き残りは経営手腕にかかっているともいえますね。

ウェーバーさんに期待するしかなさそうです。

健闘を祈りましょう。

 

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