日銀0金利政策の影響か、そもそも論か、銀行の大リストラは止まりそうにありません。
日本経済新聞によると、三菱UFJ銀行は店舗を’23年までに半減させ、全国にある約515店最終的には約250店に減少させるとのことです。
ここのところの業績不振を受けて、さすがに学生人気就職先ランキングには入っていますが、いずれも大幅なランクダウンです。
三菱UFJは2位から4位へ、三井住友銀行は前年5位からお幅ランクダウンの14位、みずほフィナンシアルグループはなんと1位から17位への転落。
長引く日銀の0金利政策により、地方銀行はもとより、メガバンクと言われる銀行でさえも収益が悪化しています。
経済活動の血液と言われるお金を流れを司る銀行が元気がない。今後どうなるんでしょうか?
儲ける力がなくなった銀行
銀行は、人から金を預かり、その金を利息をつけて貸し付けることで儲けます。
これだけ金利が低いのだから貸して欲しい人や企業が沢山いると思われますが、日本経済は必ずしも好調ではありません。
銀行が貸したいと思う人や企業は借りてくれず、貸し出し先を探すのに必死なのです。
そのような背景から、銀行がカードローンをテレビでまで宣伝して貸付を図っているのです。
三井住友は吉高由里子を起用して「三井住友カードローン!」としきりに宣伝していますよね。
三菱UFJは阿部寛です。
一昔前なら、サラ金なんて、、、というイメージでしたが、カードローンという名に変えて、有名タレントを起用して顧客を獲得しています。
もっとも、昔のサラ金のような高金利ではありませんが。
また、スルガ銀行の不正融資疑惑で世間の注目を集めている不動産投資への融資も、銀行のドル箱の一つです。
不採算の構造を変えていく必要性
一方、有人店舗での入出金や各種手続きなどは、非効率的不採算業務とされています。
これだけAIが進歩している時代に、高級取りと言われている行員を配置してわずかな手数料を稼いでいたのでは割に合いません。
しかも場所は駅前などの一等地、採算が合わないのは当然です。
これまでは、そのような好立地に店舗を持つことでブランディングを強化して、顧客利便性を図り競争力をつけていたのでしょうが、もうそんな時代は終わったということでしょう。
ネットが発達した現在、このようなインフラは足枷にしかなりません。自分の自宅に近いとか、職場に近いという理由で銀行と取引する時代ではないということでしょう。
事実、店舗を持たない住信SBI銀行の伸びは素晴らしく、楽天銀行やイオン銀行など、異業種のネット銀行も元気が良いようです。
もう、地銀や都銀などと言っている時代ではない。潰れるか生き残るかの時代になって来ているのでしょう。
96年ごろからの『金融ビッグバン』によって、銀行独自の金利設定が可能になり、銀行間の競争がが激しくなりました。今では銀行も合併や倒産する時代なんですね。
実際東京では、東京都民銀行と八千代銀行、新銀行東京が合併して「きらぼし銀行」なるものが誕生しました。
2年間で100億円程度の経費削減が可能であると。
少子高齢化により国内需要が伸びず、2019年消費税増税が実施されれば、ますます統廃合は進まざるを得ないでしょう。
銀行としては、店舗を減らし、銀行員をリストラして生き残りを図らざるを得ません。
すこし古いですが、2017年に、みずほ銀行は従業員79,000人のうち、1万9,000人のリストラを発表しました。三菱UFJ銀行は9,500人、三井住友銀行は4,000人のリストラです。
銀行はその傘下に多くの関連会社があるので、これまではリストラになった人たちも関連会社への移動で職には困らなかったかもしれませんが、それにも限界があるでしょう。
別項でも将来の日本について記しましたが、ついにその時が始まったのかもしれません。
AIが人の仕事に取って代わる。
この流れはますます加速化されます。
雇用という観点からは悲惨なことですが、企業が提供するサービスが早く安くなれば利便性も向上し顧客にとって不満はないはずです。ましてや人がやるよりも顧客満足度が高ければ、人を配置する意味はなくなるでしょう。
ネットバンキングはますます便利になるはずです。
だとすると、最後は銀行自体が仮想通貨を扱うのは必然かもしれませんね。
もはや、対面で教えてももらわないと困るという機械音痴では生きていけない時代です。
世間で老人と言われる世代も、すでにスマホを使う時代です。IT化は待った無しですね。
一般庶民が銀行を使う場合にはネット取引、富裕層の資産運用や個人事業主、企業への融資業務を限られた店舗で実施する。
こうなると、ますます地銀の存在意義が問われることになります。地銀は本当に必要なのかと?