前回はリストラの嵐の中、まだ生き残っているおっさんMRのお話をしました。(続編にご期待ください)
今回は、リストラに巻き込まれて生き残れなかった、消えたあいつ等の一人のお話を綴っていきます。
今回の主人公は、現在60才前の調剤薬局勤務のおっさんです。
ある意味エリート街道を走っていたのに、なぜリストラの対象になったのか?そして今どのような生活をしているのかを綴っていきます。
おっさんはリストラの対象になるべくなったのか?
このおっさんは、リストラになるべくしてなったのか?
それとも理不尽にも会社の都合でリストラになったのか?
現在リストラに怯えているあなたの参考にもなるでしょう。
そのおっさんの過去の経歴を見てみましょう。
おっさんはある意味エリートだった!
この製薬会社のおっさん社員は、地方でMRキャリアを始め、優秀な成績を収めました。
その甲斐あって、本社の企画部に昇進。その当時はまだマーケティング部門などという洒落た部門はなかったのです。
そして当時は、ある意味優秀だと思われたMRこそが本社のマーケティング部員となったのです。
このオッサン社員も、嬉々としてマーケティングもどきの仕事していました。
本人としては、最大限できることをしていたのですし、むしろ他者よりも認められていると自負していたのです。
ですがこのおっさん社員は、周りを見ることができませんでした。
このおっさん社員が勤める会社は、すでに外資に買収されているのです。
にもかかわらず、本格的なマーケティングは学んでおらず、英語もできません。
頼みの綱は、これまでの自分のMR経験。そしてKOLとのコネクションです。
しかしそんなものは外資の本社からすれば大した意味を持ちません。
結局このおっさんMRは、 上司のおかげをもってかろうじて営業所長として本社を去ることになるのです。
考察
結末を見るにつけ、罪があったかどうかは別にして時代についていけず、生き残れなかったということは事実です。
リストラへの序章
地方に営業所長として赴任したおっさん MR。
災いしたのは本人の勘違い。
数年間の本社勤務と、 MRに指示を出す立場のプロマネ経験、 さらには持ち前の頑固さと、細かすぎる几帳面さ。
そうです、地方のMR達にとってこれほど煙たい上司はいません。
それに気づかなかったこの元おっさんMR は、自分が正しいと思うことを実行しました。
さらには、初めての単身赴任がもたらした悲劇。
そうです不倫に走ってしまったのです。
笛を吹けども踊らず、 不倫のために夫婦仲もギクシャクしてしまいました。
なまじっか真面目な性格のため、挽回策を図ろうとするも、さらに袋小路にはまって行きます。
妻の元に戻るもなぜか単身生活
地方での所長としの成果は惨憺たるもの。
それでも、自宅勤務が可能な地域への転勤命令が出ました。
普通であれば自宅から通うでしょう。
しかしこの元おっさんMは、会社に無理を言って担当地域に近い場所に借り上げ社宅を得て、活動を開始しました。
本人曰く、「仕事に集中するためにはこの方がいいのだ」と。
家族が住むローン返済中の自宅へは、週末であっても滅多に帰りませんでした。
本当に仕事に集中するために単身赴任を続行したのか、家庭の事情なのかはよくわかりません。
結局はリストラの対象になり、あえなく玉砕
残念ながら新天地でも営業所長としての力を発揮することはできず、この元おっさんMRはリストラの対象となってしまいました。
幸いながら相当な額の割増退職金が出たことで、住宅ローンを完済。いくばくかの老後資金も残りました。
しかしながら、いまだ就業中の子供が3人もいます。年齢は55歳。
まだまだ働かざるを得ません。
元おっさん MR の再就職先
このおっさん、まだ若干運が残っていました。
とあるジェネリックメーカーのマーケティングヘッドとして就職できたのです。
(正直な話、雇う方も雇う方です、、、どんな採用基準だったのか、、、)
しかしながら元々マーケティングを学んでいたわけでもなく、ましてやジェネリックを扱った経験もない元おっさんMRが、 ジェネリックのマーケティングヘッドが務まるわけがない。
まさしく、雇う方も雇う方です。
案の定、数年を待たずして解雇されてしまいます。
この元おっさんMRに残された唯一の武器は薬剤師免許。
しかしながら一度も使っていない薬剤師免許という資格など、世の中ではほとんど役に立たないようです。
雇われたのは東京の衛星都市の調剤薬局。
年収は300万円、プラス単身赴任のための住居費。 実質価値としては400万円程度でしょうか?
製薬会社に勤めている薬剤資格をお持ちの方にお知らせします。
東京近郊では、調剤経験のない薬剤師の資格では、あなたの前職の年収がいくらであろうとも、年収400万円がいいところです。
この元おっさんMR、 今ではほとんど休みもなく、朝は8時過ぎから夜の9時10時まで働いています。
もちろん奥さんとは冷戦状態。
東京の衛星都市のワンルームマンションでしがない一人暮らしです。
まとめ
一体何が問題だったのでしょうか?
生きてきた時代が悪かったのでしょうか?
それとも会社があまりに理不尽だったのでしょうか?
しかしこの物語は、若干のフィクションを含んだノンフィクションです。
ここから何を学び取るかはあなた次第です。
言うは易し、行うは難しかもしれません。
ただ一つだけ言えることは、この地球上では、起こってしまったことは元には戻せないです。
できることは過去の事例を基にして、今から自分がどのように生きていくかだけです。
この事例が少しでもあなたの生き方に良い影響を与えることができれば嬉しいです。